CADの自動機能は目的にあった使い方をする

自動機能で内角にRをつける
機械加工の図面をよく描いている設計者様は、CADの自動機能(工具径にあわせたRを自動的に内角に設定する)を使用することがしばしばあります。機械加工であれば製図の工数を削減することができますが、板金加工においては、必要の無い個所に無駄な加工をする指示をしている図面になってしまいます。


自動機能を使わない図面
CADの自動機能を使用すれば、製図工数を減らすことができますが、一方で、加工のことを考慮した設計図を描くことも必要です。少し注意をして無駄な加工を減らしたり、板金加工に適した図面にするだけでコストを抑えることができます。左図の角穴だとパンチがR4か所分増え8か所、右図だとパンチは4か所ですみます。
その他の加工図面の描き方
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相対寸法ではなく絶対寸法で板金図面を作成する
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絶対寸法と相対寸法を上手く組み合わせて読みやすい製図を作成する
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曖昧な表現を使わず、寸法を正確に記入して板金図面を作成する
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穴基準や形状基準ではなく端面基準による製図作成でコストを下げる
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設計変更の履歴を残すことによって、間違いを防いでコストを下げる
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図面枠に番地を記載することによって図面の読み取りミスを防ぐ
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1製品1図面を徹底することで発注ミスを防ぐ
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隠れ線と補助線を正しく使い分ける
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板金図面で使用する線を正しく使う(細線と太線)
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CADの自動機能は目的にあった使い方をする
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長丸穴の寸法は、「穴の中心までの寸法と穴の寸法」を指示する
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半抜きや穴の寸法を統一してコストを下げる
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三面図では表しにくい製品はアイソメ図で指示する
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溶接指示は外観・強度・溶接範囲を伝え、作業は現場に一任する
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板厚に対して適切な数のネジ山を確保する
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不要な表面粗さの指示を削除し、コストを下げる
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不要な平行度・平面度の指示を削除し、コストを下げる
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不要なC面の指示を削除し、コストを下げる
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不要な糸面取りの指示を削除し、コストを下げる
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不要なRの指示を削除し、コストを下げる
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不要な個別公差を削除し、コストを下げる
