【イニシャルコストと納期を削減】ダイレスフォーミングのご紹介
投稿日:2026年06月15日
「プレス加工で量産予定だが、 数個の試作に対する金型代が高い…」
「金型の完成までに時間がかかり、開発スケジュールに遅れが生じる…」
「金型を作らなければ必要な形状ができず、そもそも評価ができない… 」
といったお悩みはございませんでしょうか。
例えば、下記のような段差のあるカバー部品や、立体的で複雑な形状の小型部品などは、絞り加工を行う必要があり、専用金型が必要になります。

しかし、量産前の試作や小ロット生産の段階で、専用金型を製作するとイニシャルコストがかかり、金型製作にも時間を要します。
そこで有効となるのが「ダイレスフォーミング」です。
ダイレスフォーミングとは、将来的にプレス量産を見据えた試作品や、少量多品種の精密板金の領域において、専用金型を作らずに、簡易金型によって成形する技術です。
今回は、コスト・納期の課題を解決する「ダイレスフォーミング」について、メリットや実際の製品事例、課題解決事例を交えながらお伝えします。
ダイレスフォーミングのメリット
上述の通り、ダイレスフォーミングは、プレス用専用金型を起こす必要がないため、下記の3つのメリットがあります。
①金型製作不要のため、イニシャルコスト削減と短納期化を実現できる。
プレス用の専用金型ではなく、簡易金型を使用するため、イニシャルコストを大幅に削減できます。特に、試作品の開発や小ロット品の製造において、コストパフォーマンスを発揮します。また、金型の製作にかかる期間を短縮できるため、1週間程度でのスピーディーな製品立ち上げが可能です。納期が無いといった、急ぎの案件にも対応することができます。
表1.コスト・納期比較
| 他社 | 当社 | |
|---|---|---|
| トータルコスト | 約10万円 | 約2.5万円 |
| 納期 | 4週間 | 1週間 |
②垂直絞りに近い加工ができる
インクリメンタルフォーミング、NCフォーミングといった工法ではどうしても不可能であった、垂直絞りに近い形状を専用金型レスでありながら、専用設備とノウハウにより、再現することが可能です。精密板金として求められる寸法精度や、部品に必要な強度を確保したまま加工を行うことができます。
表2.加工形状の比較(表形式)
| 加工形状 | ダイレスフォーミング | インクリメンタルフォーミング / NCフォーミング |
|---|---|---|
|
角度ありの形状
|
加工可能 〇 |
加工可能 〇 |
|
垂直に近い形状
|
加工可能 〇 |
加工不可 ✕ |
③様々な材質・材厚、形状に対応ができる
鉄、ステンレス、アルミなど幅広い材質や板厚に対応しています。丸・四角・長丸といった単純な絞り形状から複雑な形状まで柔軟に加工できるため、設計の自由度を損なうことがありません。
表3.ダイレスフォーミングの対応範囲
| ステンレス | 0.1mm ~ 3.0mm ( 標準対応以外は要相談 ) |
|---|---|
| SPCC | 0.1mm ~ 3.2mm ( 標準対応以外は要相談 ) |
| SECC | 0.1mm ~ 3.2mm ( 標準対応以外は要相談 ) |
| アルミ | 0.1mm ~ 3.0mm ( 標準対応以外は要相談 ) |
| チタン | ※ 要相談 |
| マグネシウム | ※ 要相談 |
| 特殊合金 | ※ 要相談 |
ダイレスフォーミングの製品事例
ここまでダイレスフォーミングについて解説しました。下記にて、実際にダイレスフォーミングによって製作した製品事例を一部ご紹介いたします。
事例①:大型プリンター底板

こちらは大型プリンターに使用されるSECC製底板の試作品です。SECCは比較的絞りやすい材質ですが、本製品は面積が大きいため、絞り加工をすると高額な金型費用と長いリードタイムがかかってしまいます。
そこで本事例では、絞り部分をダイレスフォーミングによって加工し、特定の箇所を溶接しています。
本製品のように絞れない箇所については無理に絞らず、絞りが可能な箇所をダイレスフォーミングによって加工をすることで、金型製作費用を抑えた上で絞り加工をすることが出来ます。
こちらは試作品ですが、試作段階で検証をしっかりと行えるため、量産時においても高い再現性を保ち、スムーズな立ち上げが可能です。
事例②:PC用保護カバー

こちらはパソコン内部を保護するSECC製のカバーです。
部品を取り付ける為に25角の形状を深さ4mmに絞ることで部品装着を可能にしています。
当社では、ダイレスフォーミングを得意としており、本製品のような絞り加工が必要な部品製作にも対応しております。
ダイレスフォーミングのVA・VE事例
製品事例の他にも、当社では、コストダウンや納期短縮の実現、工法転換など、ダイレスフォーミングに関するご提案事例が豊富にあります。下記にその一部をご紹介いたします。
提案事例①:ダイレスフォーミングの採用でコスト低減と納期短縮を実現
下記の金型はパンチとダイに分かれており、合わせて10万円程度かかります。小ロットの場合や試作のみ対応する場合はこのイニシャルコストが重くのしかかります。さらに金型の製作期間も4週間程度を要するので、短期間での製品立上げ、あるいは試作開発においては不向きです。

そこで、簡易金型(ダイレスフォーミング)による絞り加工を採用することで、通常の金型のようにワイヤーカットや放電加工機で加工を行なう必要もなく1週間程度の短期間での立上げが可能です。通常の金型のように複雑形状の絞りは制限がありますが、追加工を行うことで様々な形状の絞りを行うこともできます。
提案事例②:切削加工品をダイレスフォーミングによる絞り加工品へと置き換え
切削加工を前提としている部品も、必要な機能を見極めることができればダイレスフォーミングによる精密板金製品に置き換えることで大幅なコストダウンを行うことができます。下記製品(左)は、軸部分に高さが必要であることから、機械加工品を前提として設計されたもので、単純な形状であるためこのままではこれ以上コストダウンを行うことができません。
しかし、この部品に必要な機能は軸部分に高さが必要であること、および円周上の4 点で固定することの2点のみだったため、下記製品(右)のようなダイレスフォーミングを用いた精密板金製品に置き換えることが可能となり、大幅なコストダウンを実現しています。

プレスの試作品のコストダウン・短納期化ならダイレスフォーミング!
ダイレスフォーミングは、試作板金における「イニシャルコストの削減」「納期短縮」を実現します。特に開発の初期段階や小ロットでの生産においては非常に有効な選択肢です。
精密板金ひらめき.comでは、長年培ってきた経験と実績に基づき、お客様の要件に最適なダイレスフォーミングの提案を行っております。コストや納期でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。


