ステンレスなどの精密板金・プレス加工におけるイニシャルコストとトータルコスト低減に役立つVA・VEコストダウン技術情報発信サイト

(5)Z曲げの限界値を考慮した上で設計を行う

精密板金の曲げ・抜き加工におけるVA・VE 設計のポイント

before

Z 曲げの限界値を考慮した上で設計を行うbefore

Z曲げの場合は金型と接触するため、Z寸法はおのずと限界がある。

精密板金において、ステンレスやアルミなどの板を曲げる際(曲げ加工)には、板厚によって曲げの限界寸法が存在し、板厚が厚くなればなるほど曲げR を大きく取らないと曲げられなかったり割れが生じてしまいます。例えば、上記のような寸法で設計を行うと、通常の曲げ加工を行なうことができず、特型や溶接などコストの高い工法を採用しなければならなくなります。

矢印

after

Z曲げ限界寸法
板厚 最小Z寸法
0.8 4.7
1.0 6.6
1.2 7.0
4.5 23.4
5.0 24.3
6.0 26.1

ステンレスなどの板に曲げ加工を行う必要がある場合は、曲げ加工を行なうことができる範囲内で設計を行っておけばコストをおさえた製品を作ることができます。具体的には、上記の表のようなZ 曲げの限界寸法に合わせて設計を行っておけば、余計な追加工も必要なくプレスブレーキによる通常の曲げ加工によって製作ができるので、コストダウンにつながります。

プレスブレーキによる曲げ加工を行なう際には、板厚による曲げ限界値を考慮した上で設計することがコストダウンに繋がります。また、厳密には材料によってより曲げられるものと、曲げを行うと割れが発生してしまうような素材もあります。設計する際には上記の表を参考にして行ない、この限界値を超えるような曲げを行わなければならない場合は、精密板金を手掛ける加工業者に相談することがコストを低減させる近道になります。
  • 切削加工からレーザー加工への工法転換でコストダウンを行うafter(1)切削加工からレーザー加工への工法転換でコストダウンを行う

    【Before】

    単純な形状のワークほど、本当に必要な面粗度を図面に記載することがコストダウンに繋がります。上記の図面ではワークの側面の面粗度が、機械加工を前提とした▽▽(三角ふたつ)の指示が入っています。図面においてこのような指示がされていると機械加工で仕上げる以外に方法がなくなるので、コストダウンを行うにも限界が生じます。

    解決事例を見る

  • ナット溶接からバーリングに変更しコストダウンを行うbefore(2)ナット溶接からバーリングに変更しコストダウンを行う

    【Before】

    製品同士を組みつけたりする場合にボルトとナットを用いる場合があり、精密板金においてはナット自体を上記のようにステンレスの板などに溶接することがあります。ナットを溶接すると強度を向上させることができますが、溶接による手間が掛かる上、部品管理コストも必要となり、ナット溶接を採用するにあたっては本当に必要かを十分吟味しなければなりません。

    解決事例を見る

  • バーリング加工と曲げ加工の併用でコストダウンを行うbefore(3)バーリング加工と板金曲げ加工の併用でコストダウンを行う

    【Before】

    別部品との組みつけの兼ね合いで、ある程度のクリアランスを設けてネジ止めしなければならない精密板金製品を製作する場合は、上記のような上部にタップを設けたボスを製作し、溶接するケースがあります。このような形状であれば非常に堅牢に製作することができますが、部品の製作にあたって切削加工が必要な上に溶接の手間がかかるので、コストが高くなってしまいます。

    解決事例を見る

  • リブ出しは曲げ加工と同時に行えるよう設計するbefore(4)リブ出しは曲げ加工 と板金同時に行えるよう設計する

    【Before】

    曲げ加工を行なうプレスブレーキの金型は、一般的には直線の曲げ加工(直角曲げ)しか行えません。そのため、加工品にリブ出しが必要な場合は、一度プレスブレーキで曲げ加工を行なった後、追加工を行なう必要があります。曲げ加工とリブ出しが2 回に分かれてしまうと、段取り替えなどの工数が増加し、最終的にはコストアップに繋がってしまいます。

    解決事例を見る

  • (5)Z曲げの限界値を考慮した上で設計を行う

    【Before】

    精密板金において、ステンレスやアルミなどの板を曲げる際(曲げ加工)には、板厚によって曲げの限界寸法が存在し、板厚が厚くなればなるほど曲げR を大きく取らないと曲げられなかったり割れが生じてしまいます。例えば、上記のような寸法で設計を行うと、通常の曲げ加工を行なうことができず、特型や溶接などコストの高い工法を採用しなければならなくなります。

    解決事例を見る

  • 曲げ加工を行なう付近のキリ穴は変形に注意するbefore(6)板金曲げ加工を行なう付近のキリ穴は変形に注意する

    【Before】

    プレスブレーキなどの曲げ加工を行なう際には、曲げの近くにある穴が曲げ加工によって変形しないかを十分注意して設計することが必要です。上記の写真はもともと穴が空いている板に曲げ加工を行なったものですが、曲げによって穴が変形してしまいました。

    解決事例を見る

  • アングル材を使用せず曲げ加工品の採用でコストダウンを行うbefore(7)アングル材を使用せず板金曲げ加工品の採用でコストダウンを行う

    【Before】

    製缶板金や精密板金、あるいは機器の組立品において市場に流通している規格品を採用することが基本的にコストダウンに繋がります。しかし標準品に対して追加工を行う必要がある場合にはコストが上昇してしまう場合があります。例えば上記のようなアングル材を購入し、キリ穴加工を行なった場合には、手間がかかるのでほとんどケースでコストアップしてしまいます。

    解決事例を見る

  • タップ径を統一し段取り削減によるコストダウンを行うbefore(8)タップ径を統一し段取り削減によるコストダウンを行う

    【Before】

    加工によるコストを抑えるためには、より同一の工具で加工できるように設計を行い、段取り替えを少なくするように設計することが望まれます。上記の図面では、M5 のタップが3 つ、M4 のタップが1 つとなっています。この場合、タップ径が異なるので、その都度工具を変更する、あるいは別のボール盤を使用するなどの段取り替えが必要となり、コストアップの原因となります。

    解決事例を見る

  • 位置決め用のWD 形状の穴は長丸穴に変更してコストを下げるbefore(9)位置決め用のWD 形状の穴は長丸穴に変更してコストを下げる

    【Before】

    位置決め用の穴がWD形状で指定されている場合、サイズの合う金型を保有している板金工場はほとんどといっていいほどありません。公差によっては、レーザーやワイヤーを使って加工しなければならず、コストアップの要因となってしまいます。

    解決事例を見る