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ZAM材って何者?ZAM材を用いたコストダウンの方法

はじめに

「コストダウンにZAM材がいいと聞いたが、どうやって使えばいいか分からない・・・・・・」

という、お悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。

実際に、当社のお客様からも、上記のようなご相談をよくいただきます。

精密板金加工では、一般的にSPCCやSECCを始め、アルミ・SUS等の材質が使用されますが、ZAM材を上手く活用することで、加工コスト削減や納期短縮をすることができます。

当記事では、ZAM材の特長、使用において懸念すべき点から、精密板金ひらめき.comを運営するCREST PRECISIONがお客様にご提案している、ZAM材を用いてコストダウンを実現する方法についてご紹介します。

ぜひ、ZAM材の加工を依頼時に、当記事の情報をご活用ください。

 

~ZAM材とは?~

ZAMとは、高耐食性メッキ鋼板のことで、亜鉛(Zn)-アルミニウム(Al)6%-マグネシウム(Mg)3%のメッキ層をもつ溶融メッキ鋼板であり、各素材の頭文字を取りZAM材と名付けられております。

 

ZAM材の特長

①高い耐食性

ZAM材の一番の特長は、耐食性です。先述したように、亜鉛・アルミニウム・マグネシウムによるメッキ層により、亜鉛系保護被膜が形成され、高い耐食性を出しています。SGCCと比較すると、約10~20倍ほど、耐食性が高いと言われています。

②優れた加工性

ZAM材は、加工性も高い材質であり、特にプレスによる加工には、とても優れています。メッキ層が硬く、平滑性が優れていることから加工性が高く、高精度の加工が可能になります。

③低コスト・短納期

耐食性・加工性が高い材質と言えば、SUSが挙げられますが、その中でもZAM材が必要とされる理由は、価格にあります。材料コストだけで見ると1/2程度のコストで抑えることができます。

また、ZAM材には、既にメッキ処理がされているため、成型後のメッキ処理が不要となり、加工工数を大幅に削減し、納期短縮を実現します。

 

つまり、ZAM材は加工性が高く、耐食性や耐候性が高いため、屋内はもちろんのこと、屋外環境下で使用される筐体やその内部で使用される部品での使用に向いています。

また、現行製品の製作コストの見直しにより、コストダウンを検討されている方は、ZAM材への置き換えを推奨します。

では、実際にZAM材を用いた製品を依頼する場合に、懸念すべきことは何なのでしょうか。

 

ZAM材を使用する際に懸念すべきこと

①切断面から発生する錆への対策

ZAM材は、切断加工を行うと、断面のメッキ処理がされていない箇所から錆が発生します。メッキ層から溶け出した、亜鉛・マグネシウム・アルミニウムが、時間の経過で錆の発生した端面に対して保護被膜を作り覆うことで、耐食性を取り戻します。錆が全く発生しないわけではないので、注意が必要です。

当社では、切断直後の端面を錆の発生から防ぐために、銀色のペンで塗った状態で納品することも可能です。時間経過で保護皮膜は形成されます。

 

②最適な接合方法の検討

SPCCやSUSと比較すると、ZAM材は溶接性が落ちます。メッキを構成する亜鉛やマグネシウムの融点は低く、それらが気化する際にピンホール・スパッタ発生のリスクが高まります。

そのため、当社では、ZAM材の接合において、溶接加工ではなく、カシメ接合にて対応しています。

 

ZAM材を使用するメリットも多くありますが、ZAM材の使用を検討する場合は、上記の点を考慮する、もしくは、ZAM材の取り扱い実績が豊富な企業に依頼をする必要があります。

 

ZAM材を用いたコストダウンの方法

当社では、ZAM材の取り扱いをしており、多数の活用実績があります。実際に、ブラケットやスペーサー、金具のような筐体の中で使用される部品や小部品製作の際に、ZAM材を用いています。

ZAM材を用いたコストダウンのポイントは、他の材質と組み合わせた設計・製作をすることです。

例えば、当社では屋外で使用される板金筐体製作の依頼をいただくことがありますが、多くの場合は、耐食性が求められるカバー部分をステンレスで製作し、それに合わせて内部品もステンレスでの注文をいただきます。

そこで当社では、高い耐食性が求められるカバー部分をそのままのアルミを使用し、高い耐食性が求められない内部品をZAM材に置き換えて製作することで、コストダウン提案を行っております。

 

このように、筐体一つにおいても使用用途や環境に合わせて、ZAM材とその他材質を上手に用いることで、加工コストを抑えた製作が可能となります。

当社ではZAM材を用いた豊富な製作・コストダウン提案の実績がありますので、ぜひご相談ください。

 

ZAM材の使用用途でお悩みなら、精密板金ひらめき.comにお任せください!

いかがでしたでしょうか。

精密板金ひらめき.comを運営するCREST PRECISIONでは、ZAM材を用いてコストダウンを実現した豊富な提案実績がございます。

また、溶接やリベット等の最適な結合方法の検討や、求められる強度に考慮した材料・板厚の選定など、お客様のご要望に合わせた提案も行っております。ZAM材を用いた板金加工の設計・製作は、ぜひ当社にお声掛けください。

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