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ステンレスの材料価格が高騰!? SUS304の代替となる材質を活用し、材料費を削減!

1.ステンレスの材料価格が2倍に高騰!?

連日、メディア等であらゆる材料における大幅な価格高騰が報道されています。

もちろん、精密板金で使用される主な材料のステンレス、アルミ、鉄などでも同様に材料価格が高騰しています。

その中でも、特にステンレスの材料価格は2年前と比較すると、2倍近くまで上昇しています。

このステンレスの価格上昇の主な要因としては、昨今の世界情勢の影響により、原料であるニッケル・クロムの価格が大幅に上昇していることが挙げられます。

あらゆるステンレス材に、このニッケル・クロムが含有されていますが、代表的なステンレス材であるSUS304には、他のステンレス材と比較すると、クロム(18%)とニッケル(8%)が多く含有されており、価格上昇の影響を大きく受けています。

そのため、ステンレスの材料価格の高騰対策として、このSUS304の代替となる材質を上手に活用し、材料費の削減を図ることが非常に重要となります。

そこで、今回は、SUS304の代替として使用することで、材料費の削減につながる材質についてご紹介したいと思います。

 

2.SUS304の材質特性とは?

まずは、改めてSUS304とは、どんな材質なのかご紹介します。

SUS304は、ステンレスの中でも耐熱性、耐食性、強度に非常に優れた素材です。また、加工性も非常に高く、扱いやすい素材であるといえます。

さらに、SUS304は、ステンレスの中でも最も生産量が多いため、入手性も非常に高いです。

これらの理由から、SUS304は食器、厨房用品から、機械構造部品、化学工業設備部品まであらゆる用途で使用されています。

 

3.SUS304の代替となる材質を活用して、材料費の削減を実現!

このSUS304の代替として使用される材料としては、あらゆるステンレス系の材質が挙げられますが、今回は、入手性・材料費を加味して代替となる主な材質をご紹介します。

SUS304の代替として使用することで、コストダウンを実現できる主な材質としては、フェライト系ステンレス材の代表格であるSUS430や、メッキ鋼板のZAM材が挙げられます。

まずは、SUS304と比較しながら、SUS430、ZAM材の強度、耐食性、耐熱性、加工性、材料費、磁性を下図にてご紹介します。

(※一概に各材質を比較することは難しいため、参考としてご確認ください。)

SUS430を代替品として使用する場合

ステンレス系の材質であるSUS430の材料費は、SUS304の約2/3程度となります。

ただ、上図の通り、SUS304よりも強度、耐食性、耐熱性はやや劣るといえます。

また、SUS430は、SUS304と同じステンレスではあるものの、磁性を持っているため注意が必要です。

一方で、加工性は大きく変わらず、同水準の精度で製品を製作することが可能です。

求められる材質特性をクリアできる場合は、SUS304の代替としてSUS430を使用することで、材料費の削減につながります。

ZAM材を代替品として使用する場合

上図の通り、コスト面だけを鑑みると、ZAM材が最も安価であり、SUS304の約1/2程度の材料費となります。

しかしながら、ZAM材は、加工性、強度がSUS304よりも劣ります。

そのため、高度な加工精度、強度が求められない場合にのみ、SUS304の代替としてZAM材を使用することが可能です。

ただ、耐食性が高いZAM材ですが、端面には錆びが発生しやすいといった特徴がありますので注意が必要です。

(具体的には、メッキがかかった表面から、メッキ層の成分が端面に溶け出すことにより、錆びの発生へとつながります。)

これらの条件に問題がなければ、ZAM材を活用することで、大幅な材料費の削減を期待することができます。

 

4.精密板金におけるステンレスの材料価格高騰でお悩みの方は、当社にご相談ください!

今回の内容は参考になりましたでしょうか。材料価格の高騰により、より一層、材料費の削減が求められています。もちろん、SUS304の代替となる材質としては、今回ご紹介したSUS430、ZAM材の他にも多数の材質がございます。求められる材質特性、用途をしっかりと鑑みて、代替となる材質を選定することが非常に重要となります。

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