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精密板金において、外観品質で伝えておくべきこと

精密板金の製造において、外観品質は最終製品の仕上がりを大きく左右します。しかし、この品質基準が曖昧なまま案件を進めてしまうと、後工程での手戻りや予期せぬコストアップ、さらには納期遅延といった問題を引き起こしかねません。特に、量産を視野に入れた試作段階では、これらの問題を未然に防ぐためにも、依頼者側と製造側で外観品質に関する明確な共通認識を築くことが必要です。

そこで本記事では、精密板金を依頼時に外観品質に関して具体的に何を伝えるべきか、またどのような点に注意して確認すべきかについて、具体的なポイントを解説いたします。

 

精密板金において、外観品質で伝えておくべきこと

①傷に関する明確な基準を伝えることで、手戻りを減らす

図面に外観品質の要求が具体的に記載されていないと、手戻りの原因となります。例えば「両面傷なきこと」とだけ記載されている場合、傷の程度に関する基準が曖昧であるため、解釈の齟齬が生じやすくなります。

当社では「両面傷なきこと」に関して、「爪でひっかからない程度」を基準としています。このように具体的な基準を図面に明記することで、認識のずれを防ぎ、案件を円滑に進めることができます。

 

②外観品質が求められる範囲を明確に伝え、不要なコストを抑える

外観品質を求める範囲を明確にすることで、不要なコストを抑えることができます。

例えば、表面だけでなく裏面にも高い外観品質が要求された場合、対策として裏面に保護シールを貼って加工を行います。しかし、シールを剥がす際にバリが発生しやすく、追加の仕上げ工程が必要となるため、結果的にコストが上がります。必ずしも両面で高い品質が必要でなければ、表面のみと指定することでコストを抑えることが可能です。

また、塗装の範囲によっても外観品質は変わります。たとえば、SPCCは全面塗装、SECCは片面塗装のケースが多いですが、ステンレス材では使用環境や意匠性に応じて片面・両面塗装を選択します。依頼段階で「全面塗装」か「片面塗装」かを明示することで、不要なコストや手戻りを防ぐことができます。

塗装範囲を明確にしコストダウンを行うafter

>>塗装範囲を明確にしコストダウンを行う

 

③溶接後の仕上げ加工を細かく指示し、外観品質とコストのバランスを取る

溶接後の仕上げ加工の有無・範囲によって、外観品質とコストが大きく変わるため、下記のように細かく指示を行うことが必要です。

・外観品質が求められる場合には、”仕上げ加工”を指示する

当然ながら、仕上げ加工を指示することで、優れた外観品質を得ることができます。但し、加工コストが増加しますので、コストとのバランスを考慮した上で指示をする必要があります。

・外観品質とコストの両立には、”突き合わせ部のみ仕上げ加工”する

ある程度の外観品質を求めているが、コストを抑えたい場合には、突き合わせ部のみ仕上げ加工を行うことで、仕上げ加工無しの場合と比較すると、外観品質の向上が期待できます。

また、仕上げ加工ありの場合と比較すると、加工コストを安価に抑えることができます。

>>溶接後の仕上げ加工指示の詳細はこちら

 

高い外観品質を求めているという方は精密板金ひらめき.comにお任せください!

いかがでしょうか。今回の記事では、「精密板金において、外観品質で伝えておくべきこと」についてご紹介をさせていただきました。

精密板金加工において、設計段階や依頼段階でのちょっとした工夫や配慮が、品質やコストに大きな影響を与えます。精密板金ひらめき.comを運営するCREST PRECISIONでは、高品質な製品づくりだけでなく、今回ご紹介したように、当社の実績やノウハウを活かしたVA提案を行っております。

様々な業界向けの精密板金の設計・製作を手掛けてきた豊富な実績と長年培ってきたノウハウをもとに、ご要望に合わせた高品質な製品をご提供いたします。

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