精密板金の強度を上げる、最適な工法の選定ポイント
投稿日:2026年05月21日
「溶接で強度を上げたいが、熱による歪みが大きく出てしまう・・・」
「十分な強度を確保しつつ、表面に出っ張りのない美しい外観品質も担保したい・・・」
精密板金加工品を依頼する際に、このような強度確保に悩まれたことはないでしょうか。
例えば溶接品で強度を上げるためには、一般的に「全周溶接」が用いられます。
しかし、溶接の場合は、入熱管理が不十分だと熱歪みが生じてしまいます。
そのような熱影響が懸念される場合でも、接合部の強度を向上させる方法はいくつか存在します。
そこで本記事では、「精密板金の強度を上げる最適な工法の選定ポイント」と題しまして、精密板金の強度向上を実現する3つの接合方法について解説いたします。
強度を上げる3つの接合方法をご紹介
上述のように、熱影響の懸念を回避しながら、接合部の強度を向上させる方法として、「スポット溶接」「リベット接合」、「ファーストスポットファスナー」が挙げられます。
①強度を保ちながらコストダウンを実現できる「スポット溶接」
熱影響を抑えつつ接合する一般的な手法が「スポット溶接」です。
スポット溶接は、強度を保ちながらも、後述のリベット接合やファーストスポットファスナーと比較してコストメリットに優れています。また、金属同士を溶かして接合するため重量の増加も抑えられます。
しかし、スポット溶接のデメリットとして、外観からは見えない接合部の内部検証が必要という点が挙げられます。外見だけでは確実な接合強度が出ているかどうかの判断が難しく、特に高い信頼性が求められる部品では、品質保証のために検査工数がかかる場合があります。
>>スポット接合による歪み抑制とコストダウンに関する事例はこちら
②熱歪みがなく、目視で確認ができる「リベット接合」
スポット溶接のように熱を加えず接合するのがリベット接合です。
リベット接合の最大のメリットは、溶接による熱歪みが発生しないことと、結合状態を目視検査で対応可能という点です。接合不良を防ぎやすく、試作板金の段階でも容易に組み立てや解体ができるため重宝されます。
一方で、通常のリベットを使用すると、表面に出っ張りが生じてしまうというデメリットがあります。外観品質が求められるカバーやケースには不向きな場合があり、また「留めしろ」を設けるための設計変更が必要になる点にも注意が必要です。
③高強度かつフラットな状態で接合できる「ファーストスポットファスナー」
アルミ筐体などの歪みやすい材質において、
「歪みを防ぎたいが、リベットのような出っ張りは出したくない」
という場合に有効なのが、ファーストスポットファスナーです。
ファーストスポットファスナーは、2枚の板を両面がフラットな状態で締結できる特殊な接合方法です。通常のリベットのような出っ張りが出ないため、外観性を維持できます。
さらに強度の面でも優れており、過去実施した試験結果(アルミ筐体)では、通常のスポット溶接と比較して引張強度・剪断力ともに約2倍の強度を出すことが実証されています。(図1、2参照)

図1. 引張強度試験結果

図2. 剪断力試験結果
特にアルミの精密板金において、ファーストスポットファスナーはスポット溶接の代替工法として有効です。
強度向上を実現する精密板金は、精密板金ひらめき.comまで!
ここまで、精密板金の強度を上げる接合方法についてお伝えしました。このように精密板金ひらめき.comを運営するCREST PRECISIONでは、単に図面通りに作るだけではなく、頂いた加工図面を拝見し、高強度や機能性向上といったより品質が高い精密板金加工品をご提供しています。
また当社は豊富な新規試作実績によるノウハウがあり、設計段階から、コストダウン提案や機能性を高める提案を行うことが可能です。精密板金加工で何かお困りのことがございましたら、お気軽に当社までご相談ください。


