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アルミ薄板はどの板厚まで溶接できるのか?

アルミは軽量・高強度という特性から、装置部品や筐体など、精密板金分野でも多く採用されていますが、実際にアルミ筐体など溶接が必要な製品を依頼した場合に、加工業者が「どの板厚までアルミの薄板溶接できるのか分からない」といった方も多いのではないでしょうか。

一般的に、アルミの薄板溶接は1.0mm程度までは安定して溶接可能といわれています。条件にもよりますが、1.0mm以下の板厚、例えば0.8mmでも十分に溶接が可能です。さらに0.5mmのアルミの薄板でも、歪みや焼けを抑えながら溶接できるケースがあります。しかしながら、溶接難易度が高く、実際に加工を行う際には、慎重な検討が必要です。

そこで今回は、板厚0.8mm、0.5mmでのアルミの薄板溶接を行い、どこまでの溶接ができるのかを実際に検証いたしました。

 

板厚0.8mm・0.5mmのアルミ薄板溶接のテスト結果

当社では、板厚0.8mm・0.5mmのアルミ薄板(サイズ:100mm×80mm×50mm)で突き合わせ溶接でテストを実施しました。結果として、どちらの板厚でも溶け込みが安定し、歪みも少ない良好な溶接品質を確認できました。

下記が板厚0.8mmの溶接テスト後の全体および溶接部の写真です。

図1. 板厚0.8mmのアルミ筐体 全体写真

 

図2. 板厚0.8mmのアルミ筐体 溶接部

 

下記のように、板厚0.5mmの突き合わせ溶接でも、条件を適切に設定することで溶接ビード・外観ともに良好な仕上がりを得られました。

図3. 板厚0.5mmのアルミ筐体 全体写真

 

図4. 板厚0.5mmのアルミ筐体 溶接部

 

アルミの薄板溶接が難しい場合は、工法転換を行い、歪みや変形を抑える

上述のように、板厚0.8mm、0.5mmのアルミの薄板溶接でも、問題なく溶接を行うことができました。但し、今回は突き合わせ溶接での結果です。実際の製品設計では、斜め形状やコーナー部、立体的な構造を伴う場合も多く、その場合は熱変形や歪みが発生しやすくなります。

もちろん溶接ができれば良いですが、どうしても溶接が難しい場合は、工法転換を行うことで、変形や歪みの発生を防ぐことができます。

たとえば、アルミの筐体があった場合、アルミ溶接をせずに

 

・リベットで留める

・ネジで留める

・曲げただけにする

 

ということを行うと、歪みは発生しなくなります。

実際に当社でも、下記のようにアルミ溶接からリベット留めに変更し、溶接歪みを解決するといったVA・VE提案を行っております。

VA・VE提案事例のご紹介:溶接からリベットに変更することで溶接歪みを解決

溶接の対象となる製品が、アルミなどで歪みやすい場合は、溶接によらない方法として、上述のようにリベット留めが対策の一つです。リベット留めは熱を一切加えない締結方法であり、かつ生産性も高くなります。もし、対象となる製品に歪みが想定されて、水密・気密などの要求がなければリベット留めに変更することで大きな改善につながります。

>>リベット留めへの工法転換の詳細はこちら

 

このように、歪みで困るという場合には、いっそのこと溶接をやめてしまうという判断も時には必要となります。当社では、お客様の要望をお聞きしながら、歪みの少ないアルミ溶接品を提供することに加え、溶接をしない板金への変更提案により、お客様のご要望にお応えすることが可能です。

 

アルミの薄板溶接は、精密板金ひらめき.comまで!

本事例のように、精密板金ひらめき.comを運営するCREST PRECISIONでは、板厚0.5mmでのアルミの薄板溶接を行うことが可能です。また、溶接が難しい形状の場合でも、豊富な実績と加工ノウハウから、お客様に最適なVA・VE提案、工法提案を行っております。

アルミの薄板溶接や精密板金加工で何かお困りのことがございましたら、お気軽に当社までご相談ください。

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