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精密板金と製缶板金の違い

精密板金とは

精密板金とは、板金加工の一種であり、通常の板金加工と比較し高い加工精度・寸法公差が要求される製品を専用の機械などを使い加工することを指します。医療機器、食品機器、半導体装置や光学機器などが精密板金で加工される主な製品です。

精密板金では、その他板金加工と同様に金属板に曲げ・抜き・溶接・切断などの加工を施します。

精密板金の特徴は、精度の高さ、複雑な形状の加工にも対応できる、小ロットでの生産に向いているなどがあげられます。

 

製缶板金とは

製缶加工(製缶板金加工)とは、比較的厚みのある板材に対して、切断・曲げ・溶接といった加工を施す技術です。特に、生産設備や検査装置の大型架台やフレームの製造によく用いられ、自動車、電機、建設、土木など多岐にわたる業界で活用されています。

 

製缶加工と板金加工の違い

製缶加工と板金加工にはどのような違いがあるのでしょうか?

材料の厚さが決定的な違い

最大の違いは材料の厚みです。一般的には、板材の厚さが数mmから十数mmの場合は製缶加工、それ以下の厚さであれば板金加工と分類されます。

製缶加工と板金加工の加工法の違い

加工の流れは似ていますが、各工程の加工方法には違いがあります。

  • 切断・曲げ加工工程 

製缶加工では、シャーリングマシンやバンドソーを使用するほか、より高い加工能力を持つ機械やレーザー切断機が求められます。穴開けでは、板金加工がタレットパンチングプレス(タレパン)を使用するのに対し、製缶加工では大型のマシニングセンタを使用することが多いです。

  • 溶接・組立工程 

製缶加工では、厚みのある素材を扱うため、溶接歪みが発生しやすく、温度差による収縮の管理も難しくなります。そのため、大型の溶接定盤が必要ですが、これを保有しているメーカーは限られています。

  • 仕上げ工程 

板金加工では、マシンによる自動処理が主流であり、メーカーごとの品質差が少ないのに対し、製缶加工は手作業が多く、技術者のスキルによって仕上げ品質に差が出やすい傾向があります。

 

製缶加工と板金加工の比較表

加工法

製缶加工

板金加工

材料の厚さ

数mm~十数mm

数mm以下

主な製品

架台、フレーム、タンク

PC筐体、ラック、車両部品

切断工程

高い加工能力を持つ機械またはレーザー

シャーリング

穴開け工程

大型マシニングセンタ

タレットパンチングプレス

曲げ工程

高性能機械が必要

ベンディングマシン、ロールベンダー

溶接・組立工程

溶接歪みが大きく、定盤の確保が課題

アーク溶接、TIG溶接

仕上げ工程

技術者の手作業が多く品質差が出やすい

マシンによる自動処理で品質が安定

このように、製缶加工と板金加工は使用する材料や加工方法に違いがあり、製品の用途や要件に応じた適切な選択が求められます。

 

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いかがでしたでしょうか。

今回は、精密板金 製缶板金 違いを紹介をしました。

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